1. 前提定義

本課題では、以下の定義を絶対的な基準として議論を展開すること。

  • 事実・体験: 本人自身の身の回りで起きた、まだ誰にも記録・発信されていない現象や状態。言葉の定義上、これ自体はまだ「ソース(情報源)」とは呼ばない。
  • 一次ソース(一次情報): 上記の「事実・体験」を、本人が初めて記録・発信した内容(日記、SNS投稿、生の撮影データなど)。
  • 二次ソース(二次情報): 他の人が一次ソースを引用・要約・解釈・編集した内容(ニュース記事、まとめブログなど)。
  • リベラルアーツ: 既存の常識や「仕掛ける側」が作った枠組み(アルゴリズムやプロパガンダ)から自分を解放し、自立して物事を多面的・批判的に判断する実践的な思考力。

2. 課題文(ケーススタディ)

現代のテック企業が提供するプラットフォーム(SNSや検索エンジン)は、膨大な「一次ソース」や「二次ソース」をアルゴリズムによって分類・抽出し、私たちの画面へ最適化して表示しています。

私たちはスマホを開くだけで、世界中の一次ソースに触れ、「世界を俯瞰している」「一次情報にアクセスして事実を知っている」という全能感を抱きがちです。しかし、そこにある情報は常に「仕掛ける側(テック企業)」の利益(滞在時間の最大化)のためにフィルタリングされています。

さらに、私たちが「なくても生きていける」はずのAIやスマホに依存し、画面の向こうのソースばかりを消費するとき、私たちが本来持っているはずの「自分自身の身の回りで起きた事実・体験」の時間は相対的に削られていきます。

3. 論述テーマ

【問い1:仕掛けの看破】

あなたが日常的に「一次ソースに触れて、世界の今を俯瞰している」と感じる瞬間を一つ挙げてください。その一次ソースがあなたの手元に届くまでに、「仕掛ける側(テック企業やアルゴリズム)」がどのような意図や仕組みでその情報をあなたに選別・提示しているか、上記の定義を踏まえて構造を説明してください。

【問い2:主権の回復】

言葉の定義上、「記録・発信」をしない限り、個人の体験は一次ソースになりません。しかし、テック企業に仕掛けられた情報(他人の一次・二次ソース)を消費するだけの時間を減らし、「ソース化される前の、なくても生きていけるはずの純粋な事実・体験」に立ち返ることは、現代において個人の主体性(リベラルアーツ)を保つためにどのような意味を持つか、あなたの考えを述べてください。